建設業界で一級建築士として働く私が、建設業界について噛み砕いて、そして率直に解説します。主要な会社については一社ごとに紹介します。
普通の就職活動ではわからない、各社の特徴や評判まで脚色ありまくりで書いていきます。
あまり信じてもらっても困るのですが、大枠は外さないつもりですので参考程度にはなるはずです。
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今回はフジタについて紹介します。
フジタは大和ハウス工業の完全子会社になっており、詳細な情報はつかめないのですが、公式HPと大和ハウス工業の有価証券報告書に基づきデータは掲載しています。
概要
社名
株式会社フジタ(大和ハウスグループ)
キャッチコピー
フジタと描く未来のカタチ
売上高(連結)
5098億円
経常利益(連結)
220億円
売上高の内訳
詳細不明
社員数
3033人(大和ハウス2019年発表有価証券報告書より)
平均年齢
不明
平均継続年数
不明
平均年収
不明
設立
2002年(旧フジタから会社分割)
2013年に大和ハウスの完全子会社化、2015年に大和小田急建設株式会社と合併
有名なプロジェクト
・大宮ソニックシティ
・六本木ヒルズけやき坂コンプレックス
・大田区総合体育館
・新宿西口広場・駐車場
解説(ここからは私見が入ります)
売上高5000億円を超える準大手ゼネコン。
2013年に大和ハウス工業の完全子会社となり、2015年には大和小田急建設と合併した強固なバックアップがあるゼネコンである。
大和ハウスによる買収は建設業界ではかなり話題となった出来事であり、開発業者としても影響力が大きい大和ハウスが自社でゼネコンを持つことで開発から施工まで1社でやってしまえる組織構造となった。
フジタは2000年代に経営危機に陥っており、ゴールドマンサックスがスポンサーとなり救済された過去がある。その後大和ハウスが500億円でフジタの全株式を取得した。
ハウスメーカーにゼネコンが吸収される事案は他には鴻池組が積水ハウスの関連会社化した例があるが、フジタにしても鴻池にしてもゼネコンが苦しい時期に株式取得を実施されておりオリンピック需要でゼネコン各社の株価が上がった今では中々買収は起こらないとも考えられる。
フジタの特徴としては何といっても大和ハウスのバックアップと、海外進出に積極的であることが挙げられる。
まず大和ハウスのバックアップに関しては、フジタの売上高のうち何割が大和ハウスグループによる発注なのかデータが公表されていないので正確な数字はわからない。
ただ、大和ハウスはもはやただのハウスメーカーではなく、総合開発企業的な立ち位置であり、ホテル事業、商業施設事業等の建築に関わる多方面でビジネスを行っている。このようなビッグビジネスを展開する企業の建設工事がフジタに集まりやすいと考えるとその恩恵は計り知れない。
海外進出については特に中国やメキシコへの進出が特徴的で、東南アジアよりもそちらに目を向けているのが他社との違いである。
また、新宿に本社を置くことに関連しているのか新宿地域の工事には意欲的である。
平均年収は公表されていないが、大和ハウス本体の平均年収は907万円であり、同程度と予想できる。
大和ハウスグループになってから業績は確実に回復しており、オリンピック需要も相まってここ数年の財政状況は非常に良さそうであるが、頭打ち感もある。どのゼネコンも頭打ち感はあるのだが。
ゼネコンの企業体質はとにかくどの会社も年功序列で古臭いが、フジタはゴールドマンサックスの資本も入った過去があったり大和ハウスに吸収されるときに一族の力も弱まっているので同業他社と比べるとある程度刷新は進んでいると考えられる。
建設業界は外資系の参入もなく、同族経営が多く、国内需要でほとんど賄えてしまっているため、他業界に比べて古臭い制度を続けている会社がほとんどなので、フジタのように外の資本が入ってくることは建設業としては良い例だと私は考えている。
今後はフジタのように経営がピンチだからという理由以外でも外部の資本がゼネコンに入り、新しい風が吹くことを期待したい。
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