~東亜建設工業~建設業界の企業解説

建設業界で一級建築士として働く私が、建設業界について噛み砕いて、そして率直に解説します。主要な会社については一社ごとに紹介します。

普通の就職活動ではわからない、各社の特徴や評判まで脚色ありまくりで書いていきます。

あまり信じてもらっても困るのですが、大枠は外さないつもりですので参考程度にはなるはずです。

業界全体の記事はこちら

今回は東亜建設工業について紹介します。

記載のデータは2019年発表の有価証券報告書に基づいて掲載しています。

概要

社名

東亜建設工業株式会社(東証1部)

キャッチコピー

自然と人との調和を目指して。

売上高(連結)

1736億円

経常利益(連結)

39億円

売上高の内訳

国内土木事業939億円
国内建築事業519億円
海外事業195億円
その他82
合計1736億円

土木:建築=1:0.55(国内)

海外事業比率 11%

社員数

連結1737人 本体1459人

平均年齢

46.1歳

平均継続年数

20.3年

平均年収

835万円

設立

1914年

有名なプロジェクト

・大さん橋国際客船ターミナル

・ラグーナ蒲郡

・レインボーブリッジ

・新潟みなとトンネル

解説(ここからは私見が入ります)

海洋土木に特化した中堅ゼネコン。

海洋建設が得意なゼネコンでは五洋建設がトップ企業であるが、五洋建設は普通のビル物などの建築工事なども数多く手掛けるが、東亜建設工業はさらに海洋建設に特化している企業である。

上場ゼネコンでは珍しく建築工事より土木工事の売上高が高く、建築工事は湾岸エリアに立つ建築物を多く手掛ける。

普通のビルやマンション、ダム、トンネルなどはやらないということはないが同規模ゼネコンと比べると施工実績は多くない。

五洋建設の記事でも書いたが、湾港エリアでの建設工事は特殊条件になるため、ノウハウがないとスムーズには工事ができない。古くから海洋建設を手掛ける東亜建設工業はその分野では大手ゼネコンにも匹敵する実績がある。

国内の国家的大型プロジェクトではかなりの割合で工事を受注しており、みなさんが利用する空港、ターミナル、埋め立て地、橋などを数多く手掛けているので、意外と身近なところで仕事をしているゼネコンである。

有名どころでは、関西国際空港や羽田空港、レインボーブリッジなども単独ではないが、施工している。

海洋土木で発展してきた東亜建設工業であるが、平成時代からは建築工事についても受注拡大に取り組んでいる。この背景としては、過去に東亜建設工業は海外での海洋土木工事で多数の赤字工事を出してしまい、経営危機に陥っている背景がある。

日系ゼネコンは総じて海外土木工事で失敗しがちであるが、それは海外での仕事と日本の仕事では全く契約形態が違うことが大きな原因である。その話についてはそのうち記事にできればいいと思う。

土木工事で失敗すると土木工事比率が高い東亜建設工業はもろに経営に響くので、建築事業を拡大するのは当然の流れと言える。ただ、得意とは言えない建築工事で受注競争に勝つのは簡単ではない。

設計部の力が強そうには見えないので、設計力、提案力を高めることが建築工事受注ではカギになってくるだろう。

有価証券報告書を見る限り、利益率が他社と比べて2%程度と非常に低い。

2018年度では国内の工事はそれなりの利益が出てはいるものの、海外事業が赤字である。海外土木工事は利益を出しにくいとはいえ、この分野は東亜建設工業が昔から力を入れてきた分野であり、強みでもあるのでこのセグメントの利益回復が今後の課題だろう。

平均給与は中堅ゼネコンとしては平均的で、悪くはない。同じマリコンである五洋建設と大きな差はないので、海洋土木をやりたいのであれば給料以外の面で会社を選択するといいだろう。

企業体質は昔ながらゼネコン体質であるのは間違いない。日系ゼネコンで先進的な評価制度を導入している企業は存在しないので、この辺は割り切る必要がある。

総括すると、マリコンとしては業界2位で海外事業にも古くから参入している意欲的な企業であるので、利益率を回復し、今後も日本を代表するマリコンとして世界で活躍してもらいたい企業である。

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