建設業界で一級建築士として働く私が、建設業界について噛み砕いて、そして率直に解説します。主要な会社については一社ごとに紹介します。
普通の就職活動ではわからない、各社の特徴や評判まで脚色ありまくりで書いていきます。
あまり信じてもらっても困るのですが、大枠は外さないつもりですので参考程度にはなるはずです。
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今回は西松建設について紹介します。
データは2019年度有価証券報告書に基づき掲載しています。
概要
社名
西松建設株式会社(東証1部)
キャッチコピー
未来を創る現場力
売上高(連結)
3493億円
経常利益(連結)
259億円
売上高の内訳
土木事業 | 1173億円 |
建築事業 | 2101億円 |
開発・不動産事業 | 93億円 |
その他 | 126億円 |
合計 | 3493億円 |
・開発事業比率 2.6%
・土木事業:建築事業=1:2(国内)
海外比率 3%
社員数
連結2920人 本体2606人
平均年齢
44.4歳
平均継続年数
17.9年
平均年収
836万円
設立
1937年
有名なプロジェクト
・バンコク地下鉄(タイ)
・恵比寿ファーストスクエア
・東京湾アクアライン
・新横浜駅
解説(ここからは私見が入ります)
準大手ゼネコンの一つ。
元々土木工事の企業だったこともあり、土木工事に実績が多い。
ただ近年は年々売上高に占める建築工事の割合が増えており、役員構成も建築系の役員が多い。
ゼネコンの中では利益率が高めで自己資本比率も高いので、経営は非常に堅実。
海外事業は大型土木工事の実績が多数あるものの、売り上げに占める割合は低い。儲かるものだけ狙って受注しているのだろうか。建築事業は海外ではほとんど行ってらず、国内メインである。
建築工事の実績を見る限り、ランドマーク的な建築の施工はできないのかしないのかわからないが、していない。その分土木工事は超大型プロジェクトも多く手掛けており、ノウハウは高い。
キャッチコピーがそうであるように、現場主体で現場で儲けるという方針のようで設計部隊の力は弱い。その分やはり建築工事では優秀な設計部隊を擁する大手ゼネコンには総合的に敵わないが、そもそも設計力では勝とうとしていない感じなので、経営方針としてはこれは正解だともいえる。
最近コロナウイルスの影響で、どのゼネコンよりも早く現場を閉所するといって話題になった。実際全部は閉所できていないようだが、率先して対策を講じたのは評価できる。
平均年収は準大手の中でも低めであるので給料重視となると少し厳しいか。
企業体質は昔ながらの年功序列の企業であるが、これはどこのゼネコンも同じである。
建築をやるとなると少し規模感で他社に見劣りする部分もあるが、土木をやるのであれば大規模プロジェクトに携われることができるので、やりがいがある会社である。
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