ゼネコン紹介の記事もかなりの数になってきました。
建設業界で働いていても中々各社の財政状況などを調べる機会はないので、ブログを書くことを通して私自身少し業界に詳しくなれたと思います。
中堅ゼネコンシリーズも後半戦に突入しています。
今回は鉄建建設について解説します。
業界全体の記事はこちら
記載のデータは2019年発表の有価証券報告書に基づいて掲載しています。
概要
社名
鉄建建設株式会社(東証1部)
キャッチコピー
特になし
売上高(連結)
1746億円
経常利益(連結)
68億円
売上高の内訳
土木工事 | 980億円 |
建築工事 | 745億円 |
不動産事業 | 7億円 |
付帯事業 | 9億円 |
その他 | 2億円 |
合計 | 1746億円 |
土木:建築=1:0.76
開発事業比率 0.4%
社員数
連結1906人 本体1743人
平均年齢
42.7歳
平均継続年数
17.0年
平均年収
861万円
設立
1944年
有名なプロジェクト
・中部横断自動車道大石川橋上部工事
・鎌倉市立大船中学校
・江戸東京博物館
・つくばエクスプレス秋葉原駅
解説(ここからは私見が入ります)
鉄道建設を得意とする中堅ゼネコン。
はっきり言ってJRの天下り先である。
元々国策会社としてスタートした経緯があるため旧国鉄とのつながりが強く、今でもJR東日本が筆頭株主である。保有割合は2019年発表有価証券報告書では10.1%である。
実際、2018年度の完成工事高のうちJR東日本からの受注分が31.9%と圧倒的な得意先である。
特に鉄建建設の役員構成を見ていただきたい。
会長、社長、副社長がJRからの天下りで就任しており、生え抜きの人材は常務以下である。
ゼネコンのトップが建設工事をしたことがない元役人では現場で働く技術者が可哀そうだと筆者は思う。
創業時の社長が鹿島建設の元社長であったため、鹿島建設ともつながりが強く、株式を鹿島建設と鉄建建設で持ち合いをしている。
こんなゼネコンはJRのお偉いさん以外必要ないので、早く鹿島建設に吸収されていただきたい。
JRの鉄道工事が多い分やはり土木工事の割合が多いが、JR東日本はホテル建設など建築工事にも積極的な企業なので、鉄建建設は小規模から中規模の建築工事を受注している。
建設工事以外の事業はやってはいるものの金額がとても少なく、新しいビジネスへのチャレンジには躊躇している様子。
海外事業もなくもない程度でかなり少ない。ビジネスモデルからは保守的な匂いがプンプンする企業である。それは当然ではあるが。
平均年収は中堅ゼネコンとしては普通か少し高いくらい。
どうしてもJRの工事がしたい人は入社を検討してもいいだろうが、出世の可能性がゼロで、JRの犬として長い歴史があるということをしっかり頭に入れておかねばならない。
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