建設業界で一級建築士として働く私が、建設業界について噛み砕いて、そして率直に解説します。主要な会社については一社ごとに紹介します。
普通の就職活動ではわからない、各社の特徴や評判まで脚色ありまくりで書いていきます。
あまり信じてもらっても困るのですが、大枠は外さないつもりですので参考程度にはなるはずです。
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今回は大手5社の一角、竹中工務店について紹介します。
データは2019年度有価証券報告書に基づき掲載しています。
概要
社名
株式会社竹中工務店(非上場)
キャッチコピー
想いをかたちに 未来へつなぐ
売上高(連結)
1兆3520億円
経常利益(連結)
895億円
売上高の内訳
建設事業 | 12419億円 |
開発事業 | 544億円 |
その他 | 556億円 |
合計 | 13520億円 |
・開発事業比率(国内)約4%
・土木事業:建築事業=1:40(ほぼ建築)
社員数
連結13355人 本体7630人
平均年齢
44.0歳
平均継続年数
19.1年
平均年収
1042万円
創業
1610年
設立
1937年
有名なプロジェクト
・東京タワー
・あべのハルカス
・グランフロント大阪
・福岡ドーム
解説(ここからは私見が入ります)
業界大手の一角で、売上高は大手5社で最下位だが、それは建築専業のため。
大手5社で唯一の非上場企業であり在阪企業である。金と利権が絡み合う建設業界で非上場を貫く姿勢はどこか頑固なイメージを持つ。
大阪圏でのシェアは高く、毎年大林組と売上高トップ争いをしているが、総合的に関西圏で最も影響力があるゼネコンである。
その分東京では他社に大きな差をつけられている。
設計力が最も高いゼネコンであるというのが世間の評価で、その強みを生かした設計施工一貫方式を得意とする。実際竹中工務店設計の建築は他ゼネコン設計の建築と比べても圧倒的な差で建築系の賞を受賞している。
建物用途ごとに実績をみると、工場や発電所の割合は低く、意匠性が求められるホテルや商業建築の割合が多い。
それゆえ、設計部への入社は狭き門で学生時代にコンペでバンバン賞を取っていた学生が応募してくる。現場採用は他社と就職難易度は変わらない。
開発事業の拡大をしており、大阪の大注目再開発エリアであるうめきた2期では開発業者として参画している。
企業体質は例にもれず年功序列で堅実。
平均年収は大手5社では平均的な水準である。上場していないが上場企業内でもかなり高給。
独特の研修制度を採用しており、新卒1年目の社員は全員大阪に集められ、1年間寮生活を共にする。
それゆえ同期同士の仲の良さは大手5社トップだろう。
ちなみに工務店という言葉は竹中工務店が作った言葉である。しかしこれによってネットでは合コンでモテない企業の代表格として扱われている。
大手5社の中では最も異色の存在であり、おしゃれな建築が好きな人や大阪で仕事がしたい人はぜひ検討するべき企業である。
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