建設業界で一級建築士として働く私が、建設業界について噛み砕いて、そして率直に解説します。主要な会社については一社ごとに紹介します。
普通の就職活動ではわからない、各社の特徴や評判まで脚色ありまくりで書いていきます。
あまり信じてもらっても困るのですが、大枠は外さないつもりですので参考程度にはなるはずです。
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今回からは準大手ゼネコンの紹介です。
まずは戸田建設について紹介します。
データは2019年度有価証券報告書に基づき掲載しています。
概要
社名
戸田建設株式会社
キャッチコピー
人がつくる。人でつくる。
売上高(連結)
5104億円
経常利益(連結)
374億円
売上高の内訳
国内建築事業 | 3601億円 |
国内土木事業 | 1003億円 |
投資開発事業 | 107億円 |
国内グループ会社事業 | 450億円 |
新領域事業 | 2億円 |
海外事業 | 177億円 |
合計 | 5104億円 |
・開発事業比率(国内)約2%
・土木事業:建築事業=1:3.5
海外比率3%
社員数
連結5296人 本体4078人
平均年齢
44.3歳
平均継続年数
19.1年
平均年収
914万円
創業
1881年
設立
1936年
有名なプロジェクト
・埼玉県立がんセンター
・ぎふメディアコスモス
・パシフィコ横浜
・星のや東京
解説(ここからは私見が入ります)
準大手ゼネコンの中でも一つ頭が抜けた存在。
全体売上高は大手5社の半分以下であるが、病院建築の売上高は大手5社を上回る。
日本赤十字社とのつながりが強いことや、病院建築のノウハウが多いというのがその理由である。
病院建築は普通のオフィスビルや商業施設とは建築形態が大きく異なるので、経験豊富な人材が必要となる建築であり、戸田建設はその分野に特に力を入れている。それは公式ホームページや有価証券報告書を見ても明らかである。
このように準大手ゼネコンは大手ゼネコンには総合力では勝てないが、一分野については大手5社を上回るケースが多い。
オフィスビルなどの再開発計画が苦手なわけではなく、技術レベルも大手5社と変わらないが、そういった分野ではやはり施主への魅力的な提案をする力で一歩劣ることがシェア拡大に至っていない要因であると思う。
売上の内訳をみてわかる通り、海外事業にはあまり積極的ではない。今後拡大はするであろうが、進出が遅れている分苦戦はするだろう。
開発事業の拡大も小さめで、あくまで建設工事で利益を上げる姿勢が強い会社である。
社員の資格取得にかなり力を入れているようで、会社全体で特に一級建築士資格の取得をバックアップしている。多数の研修が用意されているらしい。
平均年収は大手5社には劣るものの、914万円は決して低くはない。
社風に関してはゼネコンはどこもそうだが、年功序列で堅実。戸田建設に関しては特に堅実と言っていいだろう。あまり新しい試みにチャレンジするような雰囲気ではない。
病院建築が好きな人や、海外で働くのはちょっと、、、という人や、大手5社はちょっと規模が大きすぎて理想と違うというような人にはお勧めできる企業である。
ただ、これだけは言えるのは社員の待遇は大手と準大手では差があり、業務内容も大して変わらないので、深く考えないのであれば大手5社のほうが基本的には良い。
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