ゼネコン紹介の記事も今回で一区切りです。
今回は上場ゼネコンの中では珍しい東京大阪に本社を置かない福田組です。
本社は新潟県にあり、当然新潟では存在感が大きい企業です。
見ていきましょう。
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記載のデータは2019年発表の有価証券報告書に基づいて掲載しています。福田組は12月末が決算なので、2019/1/1~2019/12/31のデータとなります。
概要
社名
株式会社福田組(東証1部)
キャッチコピー
100年先も誠実
売上高(連結)
1820億円
経常利益(連結)
83億円
売上高の内訳
建設工事 | 1789億円 |
不動産事業 | 25億円 |
その他 | 6億円 |
合計 | 1820億円 |
土木:建築=1:3
社員数
連結2094人 本体898人
平均年齢
44.5歳
平均継続年数
18.2年
平均年収
803万円
設立
1927年
有名なプロジェクト
・新潟医療福祉大学
・越後湯沢湯けむり雪峰庵
・ヨドバシ新潟
・立川綜合病院
解説(ここからは私見が入ります)
福田組は新潟県発祥の中規模ゼネコン。
建築工事がメイン事業で中規模建築を多く手掛ける。
新潟に本社を置いているだけあり、新潟の物件に関しては施工実績がダントツである。
かなりデカい地元ゼネコンといった立ち位置である。もちろん全国規模で受注はしている。
一般的な知名度は低く、ゼネコンの中でも地味だが東証1部上場企業であり、売上げ規模も1800億円と中堅としては大きめである。
福田組は全体に占めるグループ会社の売り上げの割合が非常に高い企業グループであり、売上1820億円のうち、621億円がグループ会社の売上である。
従業員数に関してもグループ会社人数が本体人数よりも多い。
関連会社の中で最も大きな会社が福田道路で、売上高が286億円ある。
オリンピック需要で大きく経営が好転した企業で、2011年には5億円しかなかった経常利益が、2016年には98億円になった。約20倍である。
売上も1.8倍ほど伸びた。
従業員の給料もオリンピック需要で一気に上がっており、2016年東洋経済が発表した過去10年で平均年収が上がった会社ランキング6位になっている。
これはゼネコンの中ではぶっちぎりの上げ幅で、一気に大手の水準に近付いた。ただ、ここ数年は2016年頃の勢いはなく、平均年収も下がっている。
このことから、儲かればボーナスとして社員還元する会社のようなのであくまで景気にされる給与形態となっていると考えられる。
儲かっても社員還元しない会社も多いので、その点は高評価できる。
また、建築メインの企業体質なので土木系の社員の待遇は良くはないだろう。入社するなら建築系一択というところか。
新潟に本社を置く以上、都市圏での工事はすべて出張ということになる。社員は相当な割合で単身赴任ないし、転勤を繰り返しているだろう。
新潟を代表する大企業として今後も甲信越地方の建設事業を引っ張って行ってほしいものである。
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