建設業界で一級建築士として働く私が、建設業界について噛み砕いて、そして率直に解説します。主要な会社については一社ごとに紹介します。
普通の就職活動ではわからない、各社の特徴や評判まで脚色ありまくりで書いていきます。
あまり信じてもらっても困るのですが、大枠は外さないつもりですので参考程度にはなるはずです。
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今回は大手5社の一角、清水建設について紹介します。
データは2019年度有価証券報告書に基づき掲載しています。
概要
社名
清水建設株式会社(東証一部)
キャッチコピー
子どもたちに誇れるしごとを。
売上高(連結)
1兆6649億円
経常利益(連結)
1339億円
売上高の内訳
建築事業 | 10479億円 |
土木事業 | 3001億円 |
計 | 13481億円 |
開発事業等 | 586億円 |
合計 | 14067億円 |
・開発事業比率(国内)約4%
・土木事業:建築事業=1:3
社員数
連結16184人 本体10336人
平均年齢
43.0歳
平均継続年数
15.4年
平均年収
1010万円
創業
1804年
設立
1915年
有名なプロジェクト
・東急プラザ銀座
・渋谷ソラスタ
・大名古屋ビルヂング
・東急キャピトルタワー
解説(ここからは私見が入ります)
業界大手の一角で、売上高は大手5社の中で3番目。
建設会社の中では珍しく、テレビCMも頻繁に打っているので一般的な知名度も高いゼネコンである。いつかきっとできるよね♪の歌が耳によく残る。
他社もそうであるが、不動産開発事業に非常に前向きで実際その分野の売り上げが高い。
特徴的なのが宇宙開発、海洋開発といった普通の感覚ではSFチックな開発事業にも挑戦していると公式ホームページに記載されている。実績が上がっているかは有価証券報告書を見る限り不明。
宇宙ホテル、深海都市、月面太陽光発電などワクワクするような事業が掲げられているので非常に興味があるが、入社してその手の仕事ができる可能性は限りなくゼロに近いので、就活時には一旦置いておこう。
エネルギー関連事業にも徐々に力を入れており、建設工事、開発事業以外の分野にも挑戦していこうという姿勢が見て取れる。
企業体質はどのゼネコンもそうであるが、日本の大企業的な年功序列、堅実な風土。この点に関してはそもそもベンチャー的な人事制度を採用している建設会社はほとんどないので、そういうものと考えたほうがよい。
清水建設は大手5社の中でも体育会系の色が強めの会社で、現場では押忍!と挨拶することがオフィシャルになっている現場もあるらしい。ただ、現在は減っている様子。
清水建設に入社した大学の同級生の話では、怒鳴り散らすような上司はいないが勝気な性格の人物が多いとのこと。それは企業風土でそうなるのかもしれない。
おしゃれでかっこいい建設をするというよりは、質の高いものを低コストで建設することに長けている会社である印象があり、現場サイドの発言力が高いようである。
平均年収は大手5社では少ないほうであるが、それでも1000万円超えであり、本体の従業員数も多いので総合職の年収が同業他社に見劣りするということはないだろう。
私の就活時代、清水建設のリクルーターの方には本当によくしてもらった思い出があり、非常に採用熱心な会社である印象がある。何回も会ってくださり、うちに来ても来なくてもいいからしっかり就活してね、というような対応をしてもらえた。
体育会系のノリが得意な方、大規模プロジェクトに携わりたい方はぜひ検討するべき企業である。
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