建設業界で一級建築士として働く私が、建設業界について噛み砕いて、そして率直に解説します。主要な会社については一社ごとに紹介します。
普通の就職活動ではわからない、各社の特徴や評判まで脚色ありまくりで書いていきます。
あまり信じてもらっても困るのですが、大枠は外さないつもりですので参考程度にはなるはずです。
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今回は大手5社の一角、大林組について紹介します。
データは2019年度有価証券報告書に基づき掲載しています。
概要
社名
株式会社大林組(東証一部)
キャッチコピー
時をつくる こころで創る
売上高(連結)
2兆396億円
経常利益(連結)
1630億円
売上高の内訳
国内建築事業 | 11263億円 |
海外建築事業 | 4087億円 |
国内土木事業 | 3513億円 |
海外土木事業 | 588億円 |
建設事業合計 | 19455億円 |
不動産事業 | 491億円 |
その他 | 450億円 |
合計 | 20396億円 |
・海外比率 約23%
・開発事業比率 約2.4%
・土木事業:建築事業=1:3.7
社員数
連結14739人 本体8753人
平均年齢
42.5歳
平均継続年数
17.2年
平均年収
1052万円
創業
1892年
設立
1936年
有名なプロジェクト
・東京スカイツリー
・虎ノ門ヒルズ
・グランフロント大阪
・梅田阪急ビル
解説(ここからは私見が入ります。)
日本を代表する建設会社であり、売上高は大手5社の中でトップ。
大手5社の中で売上高が2兆円を突破したのは大林組だけであり(2018年度)、近年のオリンピック需要に耐えうる人材と技術力を多く有していたということである。
東京に本社を置くが、創業が大阪であるため関西圏の受注高が高く、毎年在阪企業である竹中工務店と大阪圏での受注高トップ争いをしている。
大阪における大型再開発の受注は大林組か竹中工務店が大半を占めており、大阪駅前や御堂筋沿いには大林組が手掛けた建築が数多く存在する。
とはいっても東京で弱いかというとそんなことはなく、ここ数年東京での受注高が増加している。
建築分野では工場・発電所の受注割合が大手5社の中でも特に高く、短工期物件に強みがあることがわかる。
最近では新領域事業として、太陽光、バイオマスなどの発電事業や、PPP事業(官民協力事業)など同業他社が手を出していない分野にも進出している。
上の売上高内訳を見てわかる通り、その他だけで450億円の売り上げがあり建設工事一辺倒の会社ではない。
開発事業の規模も年々拡大しており、今後も開発事業者としても参画し施工もするというビジネススタイルが増えてくると予想される。
やはり日本の大企業感は強く、年功序列で堅実な社風。刷新さはあまりない。ただ、これはどの建設会社も同じである。
海外比率も23%と高めであるため、海外勤務希望の方にもおすすめできる。
ただ、大林組は不動産事業の海外進出は控えめである。というかやっていないかも。
現場ではオレンジの制服とヘルメットが目立つ。作業着のまま外を歩くと大林組の社員というのが一目瞭然である。
平均年収も鹿島建設には劣るものの、かなり高水準で一千万円越え。
就活の話をすると、かなり攻めの採用をしており、私の同級生では現場見学に行ったその時に呼び出され、内々定を出すから来ないかと打診があった模様。そんなのありか。
大手他社と同様、大規模プロジェクトに携わりたい人や、特に大阪圏での仕事を希望するひと、海外での建設工事に興味がある人はぜひ検討するべき企業である。
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