建設業界で一級建築士として働く私が、建設業界について噛み砕いて、そして率直に解説します。主要な会社については一社ごとに紹介します。
普通の就職活動ではわからない、各社の特徴や評判まで脚色ありまくりで書いていきます。
あまり信じてもらっても困るのですが、大枠は外さないつもりですので参考程度にはなるはずです。
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今回は長谷工コーポレーションについて紹介します。
データは2019年度有価証券報告書に基づき掲載しています。
概要
社名
株式会社長谷工コーポレーション(東証1部)
キャッチコピー
住まいと暮らしの創造企業グループ
売上高(連結)
8909億円
経常利益(連結)
1003億円
売上高の内訳
建設関連事業 | 6659億円 |
サービス関連事業 | 2220億円 |
海外関連事業 | 39億円 |
合計 | 8909億円 |
社員数
連結6974人 本体2436人
平均年齢
41.3歳
平均継続年数
17.1年
平均年収
934万円
創業
1937年
設立
1946年
有名なプロジェクト
・品川タワーレジデンス
・The FORESIS
・YOKOHAMA ALL PARKS
解説(ここからは私見が入ります)
マンション特化型ゼネコンで、マンションの建設から販売、維持管理、リノベーションなど総合的にマンション事業を展開する。
他の大手、準大手と異なりマンションが得意とかそういうレベルではなく、ほぼマンションしかやらない。
近年業績が好調で、利益率は大手5社と比べてもかなり高い。
実はマンション工事というのは、大手5社が避けがちな分野である。
なぜかというと、まずエンドユーザーまで渡る建築のため、非常に検査が厳しく多大な人件費がかかる。マンション購入者は一生に一度の買い物なので本当に厳しい。
また、設計に関してもマンション関連の最新の情報を常に仕入れておかないと最適なプランはできないので、経験者が必要である。
長谷工の設計部はマンションしか設計していないためプロフェッショナルであり、大手5社の設計部も素晴らしい人材が揃ってはいるものの、マンション以外の設計をすることのほうが多いため、長谷工の提案力はマンションに限ると大手5社を上回る。
竣工後のアフターサービスも求められるため、工事の手離れが遅く、ダラダラとお金がかかる点も普通のゼネコンにはマイナスポイント。
その点長谷工はマンションに特化することで大手5社が嫌がる部分を事業化し、設計からアフターまで総合的にサポートするスタイルであるため、競合力が強い。
さらに、自分でマンションを建てて販売したり、仲介販売したり、古くなったマンションのリノベーションもしたりとマンション関係なら何でも事業としてやっている。
ここまで1分野に特化しているゼネコンは珍しく、異色の存在である。
平均年収は934万円と大手5社ほどではないが高水準。
ただ、建設業に入りたいという人は、現場系ならランドマーク建築に憧れを持っていることが多く、設計系の優秀な学生ならマンションはやりたがらない傾向があるので、待遇の割には就活市場での人気は意外とない。
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