建設業界で一級建築士として働く私が、建設業界について噛み砕いて、そして率直に解説します。主要な会社については一社ごとに紹介します。
普通の就職活動ではわからない、各社の特徴や評判まで脚色ありまくりで書いていきます。
あまり信じてもらっても困るのですが、大枠は外さないつもりですので参考程度にはなるはずです。
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今回は前田建設工業について紹介します。
データは2019年度有価証券報告書に基づき掲載しています。
概要
社名
前田建設工業株式会社(東証1部)
キャッチコピー
CHALLENGE
売上高(連結)
4920億円
経常利益(連結)
383億円
売上高の内訳
建築事業 | 2871億円 |
土木事業 | 1490億円 |
製造事業 | 364億円 |
インフラ運営事業 | 177億円 |
その他 | 15億円 |
合計 | 4920億円 |
・土木事業:建築事業=1:1.9
社員数
連結4224人 本体3083人
平均年齢
43.4歳
平均継続年数
17.8年
平均年収
906万円
設立
1938年
有名なプロジェクト
・福岡ドーム
・BIG FRONT ひろしま
・飯田橋グラン・ブルーム、パークコート千代田富士見ザタワー
・香港国際空港
解説(ここからは私見が入ります)
準大手ゼネコンの中でも比較的規模が大きい。一般的には前田建設と呼称される。
ゼネコンの中では、色んな事業に手を出しているのが特徴。
通常ゼネコンの事業は建築工事、土木工事、開発事業が3本柱であとは微々たるものというのが普通であるが、前田建設工業は子会社に建設機械を製造する前田製作所や、道路の維持管理を行う愛知道路コンセッション、仙台国際空港の運営を行う仙台国際空港(株)などがいる。
売上の内訳の中で製造事業というのが出てくるのは前田建設工業くらいのもので、金額も中々大きい。
また、前田建設工業の面白い取り組みとして前田建設ファンタジー営業部というのがある。
是非公式サイトを見てもらいたいのだが、簡単に説明するとファンタジー営業部というのは、アニメ、漫画、ゲームの世界の建造物を前田建設工業が受注し現代の技術で建設するとどうなるかを真剣に考える部署である。(有価証券報告書を見る限り利益にはなっていないが、広告としては機能している)
マジンガーZの地下格納庫やガンダムのジャブロー基地などを真面目に施工計画し、見積もりを出したり、ドミノピザの月面店舗計画なども受注しており、他社も巻き込んだ人気コンテンツとなっている。
文庫本化しており、なんと2020年1月には映画化もされているので興味がある方は楽しんでみてほしい。
建設業は中々こういう遊び心あふれる取り組みをしないので、業界全体のイメージアップとして非常に素晴らしい取り組みである。
今後他社も巻き込んでコンペで入札とかやったらとても話題になると思う。
とはいえ会社としての風土は年功序列かつ堅実で、他ゼネコンと同様である。
年収は準大手としては高水準で、土木と建築の割合は土木が多めの構成になっている。
ちょっと面白いことやってるなと思って入社しても大抵はしっかり建設事業をすることになるので、遊びごころを期待して入社するのはおススメしないが、大規模で実績も豊富なゼネコンとして検討するのは良いだろう。
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