建設業界で一級建築士として働く私が、建設業界について噛み砕いて、そして率直に解説します。主要な会社については一社ごとに紹介します。
普通の就職活動ではわからない、各社の特徴や評判まで脚色ありまくりで書いていきます。
あまり信じてもらっても困るのですが、大枠は外さないつもりですので参考程度にはなるはずです。
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まずは三井住友建設建設について紹介します。
データは2019年度有価証券報告書に基づき掲載しています。
概要
社名
三井住友建設株式会社(東証1部)
キャッチコピー
人をつなぐ 未来へつなぐ
売上高(連結)
4487億円
経常利益(連結)
288億円
売上高の内訳
土木事業 | 1689億円 |
建築事業 | 2798億円 |
合計 | 4487億円 |
・開発事業比率(国内)0%
・土木事業:建築事業=1:1.6
社員数
連結4560人 本体2733人
平均年齢
46.3歳
平均継続年数
21.5年
平均年収
836万円
合併
2003年に三井建設と住友建設が合併
有名なプロジェクト
・三井アウトレットパーク木更津
・東雲キャナルコート
・備前♥日生橋
・ディンブー・カットハイ橋(ベトナム)
解説(ここからは私見が入ります)
三井住友建設は203年に三井建設と住友建設が合併して設立した準大手ゼネコン。
その名の通り、財閥系を流れを汲む会社であり、建築施工実績を見ても三井不動産や住友不動産が建築主の実績が多い。
特にららぽーと、三井アウトレットパークといった三井系低層商業施設を多く手掛けている。
大手、準大手の中では土木工事の割合が高い。これは三井建設も住友建設も元々土木工事主体の会社であったことが理由であると推測できる。
公式ホームページを見ても土木系の事業紹介が建築系よりも多く、土木工事に自信があることがうかがえる。
特に橋梁工事については非常に実績が多く、昔からのノウハウがある。
建設事業以外の事業をほとんどやっていないのも特徴で、おそらく開発事業関係は三井不動産、住友不動産といった大手デベロッパーに一任されているということだろう。
ゼネコンの中では社員の平均年齢、勤続年数が高く従業員の高齢化が進んでいる。その割には平均年収は低めで、若手の採用に苦戦しているようである。
思い出話をすると、私が就活していた時は三井住友建設を受けていた大学の同級生は皆無で、大学での説明会も参加者ゼロで悲しい風景だった。
土木系の学生というのは、インフラ(電力会社、鉄道会社など)に行きたがる傾向がありゼネコンにはあまり意欲的でないのが常で、いかに学生を呼び込めるかゼネコンの手腕にかかっている。
三井不動産や住友不動産とのつながりを生かして総合街づくり企業になっていくというのが魅力的な気がするが、現状それらのデベロッパーとは対等に連携している感じはなく、下請けという感じである。
さらに悲しいことに、2016年に横浜のマンション工事で杭の傾き問題が大きくマスコミに取り上げられ、悪い意味で脚光を浴びてしまった。
しかし、そうはいっても三井・住友の大きなバックがあるのは他の企業にはない最大の特徴であり今後も大きなグループの中で役割を担っていくだろう。
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