このままゼネコンで働き続けますか?
一級建築士ブロガーのTOMOです。
私は新卒でスーパーゼネコンに施工管理職で入社し、5年働いた後コンサルティングファームに転職しました。
結論、転職して本当に良かったと感じています。
給料も増え、仕事以外に使える時間も増えました。
給料は年収800万円から850万円になり、月の残業時間は70時間から40時間になりました。土日祝もほぼ休めます。
100%オフィスワークになりました。
この時30歳です。結婚もしていました。
転職したことによる不満は一つだけです。
ゼネコン在籍時は地方で働いていましたが、転職を機に東京で働くことになったので家賃が上がったことです。
その程度です。
この記事を読んでいただいている方はきっとゼネコンで働いていて転職を志していると思います。
そういった方のサポートができればと思っています。
まず①ではゼネコンから転職した理由、ゼネコンに対する不満を書いていきます。
なぜゼネコンから転職したいと思ったのか
職場で成果を出すのに時間がかかりすぎる
施工管理の仕事は一人前になるには10年はかかると言われています。
なぜそんな長期間必要なのかというと、大手ゼネコンが手掛けるようなプロジェクトは工期が1~3年程度で設定されていることがほとんどです。
平均2年とすると10年働いて5現場を経験することになります。
これでようやく一人目に片足を突っ込むという感じです。
建築はS,RC,SRC,木造と構造種別だけで数種類あり、用途に至ってはオフィス、ホテル、マンション、店舗、病院、会議場など多種多様です。
これだけ多岐に渡る建築工事というものに精通するにはそれなりに時間がかかります。
5現場やっても全ての構造や用途を網羅することは不可能で、未経験の部分は経験でカバーするという感じのキャリアになります。
この経験という部分が建設業では非常に重要で、どれだけ座学で学ぼうと現場で管理したことがあるかどうかで理解度は大きく変わります。
施工管理の仕事は3年目の天才が15年目の凡人に勝てるような仕事ではありません。
地道に経験を積むことで力になります。
この点が現代の働き方にはマッチしていないと私は思いました。
年功序列で一度も転職をせず、定年まで働くという世界ではゼネコンの成長スピードは許容出来ます。
しかし個人のスキルが重視され転職が当たり前になっている令和の時代においてはそれでは遅すぎると私は思いました。
40代後半で現場所長になれるようなスピード感ではゼネコン在籍でなくなったとき、何の価値も生み出せない人材になってしまうと考えました。
そうはいっても建築のことを何も知らないまま転職してもゼネコンに入社した意味がないので5年は現場で働きました。
一級建築士、一級建築施工管理技士の資格も取り、転職することとしました。
若手は顧客と直接やり取りしない
大手ゼネコンの現場では定例等の顧客と直接やり取りをする機会は大抵現場のトップの人が行っており、下っ端の若手は出ていきません。
ビジネスは本来顧客に価値を生み出すことでお金をもらうというものです。
大手ゼネコンの若手施工管理職はこれを経験することが非常に少ないです。
その他企業の営業職に入った人は1年目から当然顧客対応をします。
そういった同年代に対して入社した時点で遅れを取っています。
小さい建設会社や一人現場ではこれは経験できますが、大手ゼネコンでは小さい現場は減ってきており、経験できることが稀でしょう。
ゼネコンにはビジネスマナーというものを全く備えていない若手が散見されます。
常に仕事の相手が下請け業者だからです。
そんな環境に長くいるとゼネコンを出た時やっていけるか不安になるのが当たり前です。
私はどんな会社でも通用するビジネスマンになりたかったです。
職場環境
ゼネコン、特に施工管理職は労働環境が非常に悪いです。
私は旧帝大卒なので一応高学歴という立場ですが、同じような高学歴の人で他業界に行った人でゼネコンに就職した人より労働環境が悪いことは見たことがありません。(給与は別の話とします)
施工管理職の職場はほとんどが建設現場のため、仮設事務所もしくは古いレンタルオフィスに通勤することになります。
普通のオフィスビルだったら掃除は外注されていて、ずっと室内温度も適正に管理されていますが、仮設事務所はそうではありません。
トイレの環境も悪く、掃除も自分たちですることが多々あります。
建設現場では日々天候に仕事が影響を受けるため、悪天候では工事の再調整など当たり前です。
施工管理で働いているとこのような環境が当たり前だと思ってしまうのですが、世の中の多くの人はこのような環境では働いていません。
なぜ自分は朝職場に来てトイレ掃除をしているのだろうと考えた時、仕事を変えたくなりました。
長時間労働
施工管理の仕事は労働時間が長いことで有名です。
土曜や祝日も当然のように仕事があり、平日も夜10時まで働くようなことはごく普通の光景です。
私の月の残業時間は60~80時間でした。
さらにこれまで特例で延期されていましたが、2022年から月45時間の残業規制が入ります。
業務が減るわけではないので、サービス残業が増えると予想されます。
また、これだけ残業していても管理職になると残業代が出ません。
管理職と言っても肩書が課長になるだけで業務量は減るばかりか寧ろ増えることもあります。
頑張って出世しても損する構造にゼネコンはなっています。
楽できるようになる大規模現場所長になれるのは早くて40歳後半では将来に希望が持てませんでした。
長時間労働が苦なのではなく、役がついた人たちが残業代なしで長時間働く姿に疑問を覚えました。
いっそのこと裁量労働制の方が良いと思っています。
年収は高いようで高くない
ゼネコンで働く同期と給料の話をしたときよく話に挙がるのが
「俺たち給料は結構もらってる」
という話です。
私は非常に懐疑的でした。
私は29歳の時、年収800万円でした。
一般的には高いと呼ばれるレンジではあります。
しかし、ひも解くとそうでもありません。
スーパーゼネコンでも30歳での基本給は35万円くらいです。
そこに残業代や手当が諸々ついて大体額面で50~55万円くらいが月の給料でした。
月60時間も残業していますからかなり残業代で底上げされています。
年収800万円の人でも残業ゼロなら550万円くらいになってしまいます。
これは至って普通のサラリーマンであり、別に高いとは思えませんでした。
給料については記事にしていますので詳しく知りたい方はご覧ください。
これらの理由から私は転職を決意しました。
共感できる部分が多くあった方も多いのではないでしょうか。
転職活動の前に準備しておくべきこと
ゼネコンからの転職を決意しても満足がいく転職ができるかはわかりません。
少しでも転職を成功させる確率を上げる必要があります。
それは一級建築士資格を取得することです。
特に20代であれば転職が成功する確率をグッと上げることができます。
この話題は記事にしていますので是非ご覧ください。
一級建築士は持っていないけどゼネコンから転職したいという人は厳しい道になります。
それは覚悟しましょう。
次の記事では実際に転職する際のポイントを解説します。
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