ゼネコンから転職

【ゼネコン】建設業界から転職するのに有利な職種ランキング

私はゼネコンで施工管理を5年間経験したあとコンサルティングファームへ転職しました。

転職活動をしていて感じたことにゼネコンの中でも職種毎の優位性があります。

意匠設計、構造設計、設備設計、積算、施工管理、事務、営業、開発、などゼネコンの中にも様々な職種があります。

大抵のゼネコンでは入社するときに設計、施工、設備、文系職くらいの大きなカテゴリーで分けられ、その道のキャリアを歩んでいくことになると思います。

今回の記事ではこれらの職種毎に転職活動における優位性について序列をつけながら解説していきます。

これから建設業界に飛び込もうとしている方は、一生ゼネコンでのキャリアを歩むとは限りませんから職種選択の参考になればと思います。

私の転職記録もぜひ御覧ください。

職種毎の転職のしやすさ

まずは早速結論から解説します。

完全に私の独断なので正論ツッコミはなしでお願いします。

前提条件としてはその職種で5~9年程度働き、その領域ではある程度知見が深く、設計や施工管理の技術系の場合は一級建築士や建築設備士などの建築の専門家であることを示すことができる資格は保有していることとし、経験を生かせる転職をする場合とします。

意匠設計≧設備>建築施工>>>>>構造設計>事務

このようなイメージです。

意匠設計が最も転職しやすく、事務が最も転職しずらいと私は考えています。

私は施工管理だったことが原因で書類で落ちた企業がいくつかあります。

それらの会社は意匠系が欲しいと言っていました。

各職種について詳しく解説していきます。

1位 意匠設計

最も転職しやすいと私が考えているのは意匠設計です。

意匠設計が転職しやすいと考えるポイントは

・建設プロジェクトを川上からまとめるポジション

・若手のうちから直接建築主と打合せをしている

・建築の仕上げに関する知見が豊富でVEなどによるコストコントロールが得意

・地頭が良い人が多い

などが挙げられます。

ゼネコンからの転職先で真っ先に上がってくるのが発注者側のポジションです。

不動産会社、インフラ会社、銀行やメーカーの施設部門などに転職したいと考えて転職活動をスタートする方は非常に多いです。

これらの発注者側ポジションで最も重宝されるのがゼネコンの意匠設計人材です。

発注者の建設プロジェクトに関わるメイン業務はプロジェクトマネジメントであり、ゼネコンや設計事務所との調整、工事監理などの業務がメインとなってきます。

これらに最も自然にフィットするのは意匠設計です。ゼネコン時代から最も発注者側に近いポジションで業務をこなしているので違和感なく発注者側へ移れます。

特に設計事務所との仕様調整業務においては発注者側のプロパー社員より圧倒的に建築に詳しいため、スムーズに設計変更、VE/CDなどをしながら予算内にプロジェクトを納めていくことができます。

また、業務のフィット感とは別の視点では地頭が良い人が多いのも転職のしやすさに一役買っています。ゼネコンの意匠設計は施工管理や設備系と比べると入社ハードルが高く、高学歴且つ学生時代に建築設計に真剣に取り組んできた人が多いためポテンシャル面も高く評価されやすいです。

これらのことからゼネコン内の職種では意匠設計が最も転職活動の優位性があります。

2位 設備(設計、施工)

意匠設計の次に転職しやすいと私が考えるのは設備系社員です。

発注者側への転職を考えた時、意匠系ほどではないにしろ設備系社員が有利と考えるポイントは

・建築は建ってからのメンテナンス業務が膨大

・設備系の知識はマニアックであり、意匠系人材があまり詳しくない

・転職市場のライバルであるサブコン社員より広く浅く電気、衛生、空調に知見がある

・コストコントロールの肝は設備工事

といった点が挙げられます。

発注者側の企業は当然新築プロジェクトもありますが、維持修繕の方が実は仕事が多かったりします。

維持修繕では建築系より設備系の修繕がコスト的にはかかってきます。

設備系人材も建築部分は普通にわかるので修繕業務であれば設備系が重宝されます。

また、設備の知識というのは意匠系社員が苦手とすることが多い分野ですので強力なライバルとなる衣装系社員と住み分けが出来ています。

設備についてはサブコン社員ももちろん専門家で詳しいため転職市場ではライバルになりますが、サブコン社員は設備の中のある分野に特化していることが多く(きんでんなら電気、高砂なら空調など)、発注者が求める汎用的な知見というのはゼネコンの設備系のほうが持っていますし、普通に一級建築士資格を所持していたりするので採用に踏み切りやすいです。

設備系はメーカーやインフラ系に相性が良いので、そちらに意匠系より有利に進められるでしょう。

3位 施工管理

施工管理は上記2職種と比べると転職活動では若干苦しむと思います。

とはいえ転職が難しいかというとそうではなく、転職したい企業側に該当ポジションがあれば十分狙えます。

施工管理が転職に有利な部分と不利な部分は以下のようになります。

有利な部分

・仮設、工程、調達に最も詳しい

・コストの細かい部分を把握している

・頭がよくてガッツがある人が多い

不利な部分

・若手のうちから顧客対応が出来ない

・若手のうちは雑用的な仕事も多く、建築のプロとして成熟するのに時間がかかる

施工管理職はゼネコンの職種では最も採用の間口が広いため、色んな人がいます。

東大~Fラン大卒まで揃い、超体育会系~陰湿なタイプまで面白いくらい人材のグラデーションがある職種です。

ゼネコンで出世しやすいの施工管理であり、ザ・建設業界を味わえます。

転職に関してはかなりその人次第になる職種でありますが、一般的なことを書きます。

発注者側への転職となる場合は、意匠系や設備系と比べると書類を通すのが難しくなります。

そもそも施工系は求めていないというような企業も多く、企業側に施工系の人材を採用しようとしているかどうかが鍵になってくるので自分でコントロールできません。また、先述のように人材の当たり外れが大きい職種でもあるので採用に慎重になる企業が多いのも理解できる部分です。

書類さえ通ればあとはその人次第なので、意匠系や設備系と対等に渡り合えます。

施工管理系人材が欲しい企業というのはとにかく建設へのコスト意識が高く、工程管理や品質管理を徹底的にやりたいというような企業です。

ただ、施工管理職というのは若手のうちは現場の雑用的な業務がかなり多く、本当の意味で建築の仕事をする割合が設計系の職種よりも少なく、転職時に必要な知識や経験が蓄積されにくい傾向にあります。

施工管理職はゼネコンの終身雇用とフィットしたゆったり成長していくタイプの仕事なので、このあたりが即戦力を求める転職市場では戦いづらい点となります。

意識して能動的にコスト感覚や調達手法などを会得しておかないと転職しようと思ってもうまく行かないこともあるでしょう。

4位 構造設計

構造設計は上記3職種と少し離れて転職しずらい職種と考えています。

その理由としては

・業務が高度且つマニアックで汎用性があるものではない

・意匠系ほど表に立って顧客対応しない

・発注者のポジションで構造部分のコストコントロールをする場面は少ない

などが挙げられます。

構造設計は建築プロジェクトにおいては縁の下の力持ち的なポジションで、意匠設計が生み出したデザインを現実的に成立させる業務を行います。

メイン業務はもちろん構造計算で建築業界の中では最も理系で頭を使うポジションです。その分ゼネコンの構造設計は会社内で最も高学歴でインテリな人が多い部署です。

地頭がよく優秀な人が多いですが、業務がマニアックなためそれを別業界の企業で生かす場面は実は多くありません。

構造設計者の転職先は発注者側というよりは建材メーカーの研究開発、大学教員などマニアックな部分をさらに突き詰めていきたいというような世界が多く、これまで書いてきたような発注者ポジションとは毛色が違う転職活動になることがあります。

とはいえ、発注者側企業やコンサルなどの企業に行くことは無理な訳ではないので、若いうちは積極的にチャレンジしてみても良いでしょう。

5位 事務

ゼネコンの事務系は一言で事務といっても現場事務から本社総務系まで幅広いですが、ここでスポットライトを当てるのは現場事務の場合です。

本社のコーポレート部署にいる場合は他業界の同部署にいる場合と転職に関しては変わらないので気にする必要はないでしょう。

現場事務は上記3職種と比べると転職市場では圧倒的に厳しいというのが通常です。

まず、現場事務の仕事はゼネコン特有なので別の会社でそのまま使えるスキルの絶対範囲が狭くなってしまいます。

中途採用では当然即戦力が欲しいですから、他業界に行く時点で厳しいわけです。

また、専門性に乏しいというのも転職市場ではマイナスに働きます。

現場事務の場合、社内調整や経費精算、事故対応など大企業ならではの面倒くさい仕事をこなしながら現場の予算管理を行っていくのがメインの仕事であり、建築関係のスキルも身につかず、営業スキルも身につかず、経理や人事等の会社機能にも直接関わらず、という感じで何も専門性が身につきません。

転職という観点では、ゼネコンは文系学部卒業生の就職先では最悪レベルであると考えられます。

ゼネコンからの転職を志す事務系の方はポテンシャル採用される20代の内に転職しましょう。

まとめ

今回はゼネコンの職種毎の転職のしやすさについて紹介しました。

これらの序列はあくまで一般論であり、転職活動は最終的には個人次第です。

転職成功の確度を下げないようにするという意味でこの記事は参考にしていただければと思います。

最後に、最初から転職を前提と考えるなら新卒でゼネコンはやめておいたほうが無難であることは間違いないので覚えておいてください。

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