まずはじめに
一級建築士試験では学科試験を突破すると、製図試験に進むことができます。
一度学科試験を突破すると製図試験はたとえその年に不合格だったとしても、あと2回製図試験から受けることができます。
私は2018年に初受験で学科試験を突破し、そのままその年に製図試験も合格しました。
今回の記事では製図試験の対策について、書いていきます。
資格学校について
学科試験の記事では、資格学校は軽くあしらっておけばよいと書きましたが、製図試験は違います。
完全に資格学校依存の勉強法をおすすめします。
というのも、製図試験のテーマは学科試験の前に発表され、それから製図試験まで3ヵ月程度しかありません。
この短期間にそのテーマに合わせた対策問題を解きまくる必要があるのですが、資格学校が用意してくれる教材しか頼れるものがありません。
本屋に行っても当然その年のテーマに合わせた対策本はないわけです。
資格学校はテーマ発表から学科試験終了までの僅かな時間でテーマに合わせた教材を作ってきます。
受験生にとってこれほどありがたい教材はないため、ほぼ全ての受験生は資格学校に行く事を余儀なくされます。
このへんは資格学校はビジネスとして非常にうまくやっています。
以上のことから資格学校から課される課題を真面目に取り組むというのが、基本的な勉強法になります。
心構え
前回の学科試験の記事でも最初は心構えからでした。やはり一級建築士試験は心構えが大切です。
今年必ず合格するという気持ちを持つことが何よりも重要だと考えます。
製図試験は前倒し勉強が出来ないので、どうしても毎週何枚も図面を書かないといけません。結構辛いです。それでも来年でもいいやと思わないこと。これが大事です。
私見になってしまうのですが、製図試験は学科試験と比べて遥かに難易度が高いと思います。
その理由が下記です。
一、学科に合格している人間だけでの試験
ニ、初受験者は経験者とも競うことになる
三、タイムトライアル的な試験であり、半分スポーツ的側面がある。
一は書いた通りで学科に受かる人というのはそれなりに勉強ができた人です。サボり癖は克服しているんですね。
しっかりマインドが出来ている敵と戦うので、合格率でみると製図試験の方が簡単そうですが、実際は厳しいと思います。
二は受験制度的に初年度受験は経験者と戦うことになります。1年のアドバンテージは大きいです。ただ、裏を返せば1発では合格できない程度には隙がある人たちとの戦いです。高い意識を持って取り組んできた人なら決して負けません。
実際、初年度受験者と2.3回目の人たちとでは合格率は若干の差はありますが、それほどではないはずです。
ただ、そんなことはわかっていても最初は焦るんですね。経験者は書けるんです。図面を。初年度の人は最初は書けません。
やれば誰でも書けるので、ここで気持ちで負けないようにしなければなりません。
三は後述しますが、製図試験はとにかく時間との戦いです。不合格者の半分くらいは図面が未完で落ちると思います。
作図という作業は頭がいいとか悪いとかではなく、練習あるのみのスポーツです。
野球で言えば、素振りをして打席に立つ。これを繰り返して上手になります。それと一緒です。
資格試験でこのスポーツ的側面が果たして必要なのか?と、たまに思うのですがそういう試験なのでやるしかありません。
製図試験は学科試験と違い、とにかくやれば合格できるものではありませんが、やらないと合格はありえません。100%わたしは大丈夫という状態に持っていけない試験です。製図試験は通知表でいうとオール4を目指す試験で、一つでも1や2があってはいけないのです。もっと言うと5も必要ありません。
全体を上手いことまとめれば、多少の粗はオッケーという試験です。
これが学科と違って難しいところです。一つのミスが命取りになるし、一つのことにこだわり過ぎても時間を圧迫します。
私は学科試験は100%合格できると本番当日思っていましたが、製図試験は正直なところ70%くらいだと当日試験受けるまで思っていました。
製図試験に絶対はないです。
前置きが長くなりましたが、エスキスと作図に分けて、ちょっとした私なりの考えを書いていこうと思います。
エスキスと作図の配分
よくエスキスと作図の配分をどうするかということが議題になりますが、わたしは2時間半で作図を終わらせるよう練習を繰り返していたので、エスキスは出来るだけ時間を取り、2時間半で作図ができるエスキス資料を作り上げることを意識して取り組んでいました。
2時間半で書けなければその分エスキスを削るしかないですが、エスキス時間を削った結果、十分な資料が作れず、作図のスピードも落ちるというのはありがちなので作図時間は2時間半でまとめられるよう、練習する事をお勧めします。
エスキス
エスキスの詳細なやり方は私より資格学校の先生の方が詳しいので、あまり書きませんが、作図する際にコピーするだけで良い完成度を求めると良いと私は思います。
エスキスで抜けた情報は図面でも抜けます。本番は特に時間を追われて我を失うかもしれませんので、事前の書き込みが必要です。
作図
作図の具体的なやり方もこんなブログより学校で教えて貰えば良いのですが、合言葉は
とにかく早く、それっぽく!
です。
早さを求めるためにフリーハンドでいけるところはフリーハンドというのが私のやり方でした。例えばトイレの間仕切りとか、ロッカールーム内の間仕切りとか、家具とか、線が通っていなくても様になるものはフリーハンドで書きました。
オールフリーバンドという強者もいるのですが、初年度受験の人は素直に製図板使った方が先生も親身になってくれます。先生にもよりますが。
また、筆圧を柱や耐震壁は強く、内部間仕切りでは弱くというように分けるとグンと図面がそれっぽくなります。
筆圧によってスピードは変わらないので、オススメの方法です。線が全部細くてかっこ悪い図面書く人結構多いですから有効です。
あとは、練習あるのみです。
資格学校は1週間で3枚図面を書くよう言ってきます。はっきり言って過酷です。私も毎週はできませんでした。
しかし、何度も言いますが製図試験は資格学校ありきの試験です。言うこと聞いたほうが合格に直結します。歯を食いしばってやるしかないです。仕事が忙しくて帰るのが夜10時でも1時間はやるのです。
まとめ
一級建築士試験製図試験について私なりの見解を書きました。
製図試験に合格すれば、一級建築士です。
学科合格からの3ヶ月は本当に大変だと思いますが、資格試験はやったもん勝ちです。つまりやるかやらないかのメンタルの勝負です。
学科の記事でも書きましたが、
来年またお金払って辛い思いしてやりますか?
私のような施工系の人間は一級建築士の資格を取得しても大して役に立ちません。
設計の方でも持っていて当たり前って感じだと思います。喜んでくれるのは身内くらいなもので、別に会社は資格持っていても評価してくれません。
そんなもののためにまた来年もやりますか?
早く取ってしまって自分のやりたい事をしましょう。
この記事が少しでも誰かの役に立つと幸いです。
ではまた!
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